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ひでひでた
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プリゴジンに教えを請う その2
今日は少し調子が良くてプリゴジンを23ページ読むことが出来た。頭の中で音楽さえ流れていなければもっといけたものを。
 それにしても面白いことが書いてあった。特にクラウジウスに始まるという「非補償的な変換(uncompensated transformation)」の考えが面白い。そもそもクラウジウスの不等式というものがあるがこれを適当な項を定義することによって等式にしてしまう。そして「系が外界とエネルギーや物質をやりとりすることによって生じるエントロピー変化」と「系内での不可逆的な変化によって生じるエントロピー変化」を分けることにより先ほど定義した量に意味を与える。これが後の散逸構造論に繋がるそうだ。
 実に面白いじゃないか。純物理学的というよりも化学のセンスが加わることによって新鮮味が出ていると思う。発想はシンプルで分かりやすい。議論の根拠、というか前提になっているのは局所平衡の考えで、これは分子動力学法によるシミュレーションでよく確認されていると主張している。

 しかし気になる点もいくつかある。
 まず、そもそも局所平衡というのが分かりそうで分からない。おそらく系の局所的な緩和が成立する程度の時間・空間スケールで考えるということなんだろうが(つまりdtはマクロに見て微小ということ)、いかんせんそこらへんの記述が無いので今のところ判断できない。この人はエネルギーやエントロピーの変化を微小ではあるが有限の時間dtで起こるものと考えているのでこの点は大事だ。
 それとエントロピー変化を二つの寄与に分けると言っているが、この分割は一意的に決定できるものなのか。ミクロスコピックな視点では分割したことに意味があると考えられるのだろうか。これについてはテキストを読み進めて量を決定する方法について学ばなければならないだろう。
 何にせよ刺激が多い本で助かる。何度か名前を挙げた
熱力学の基礎熱力学の基礎
(2007/03)
清水 明

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や田崎さんの本は熱力学の論理的な完全性を追求していてそれはそれでいいのだが、どうも物理のもつ荒々しさみたいなものが削ぎ落とされているように感じられるし、いかにも教科書って雰囲気が出ていてが面白くない。その点でプリゴジンの本は好感が持てる。確かに細かい定義や議論の精密性などは欠けているようだけど、何より意外性とか議論の余地みたいなものがたくさん含まれていて良い。
 これからも読み続けようと思う。今後はプリゴジンの師匠であるde Donderが作り上げたaffinityの概念が登場するようなので楽しみだ。
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ひでひでた
熱・統計力学   0 0















 

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