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ひでひでた
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クーン
今日は行うはずだった生物セミナーをキャンセルしてしまった。
 体調不良で準備ができなかったためだ。何らかの計算をどうしても進めなくてはいけないのに、解が見つからずもがき続ける映像がループするという悪夢を見たときは本当に気分が悪かった。熟睡はしておらず半覚醒状態だったが為に妙なリアリティがあって嫌な汗をかいた。
 もうさすがに寝ているのも飽きたのでこうして記事を書いている。明日からは復帰できると思うのだけど…。

 話は変わるが、本棚に収まっていたにも拘らずほこりがかぶっていた
パラダイムとは何か  クーンの科学史革命  (講談社学術文庫 1879)パラダイムとは何か クーンの科学史革命 (講談社学術文庫 1879)
(2008/06/10)
野家 啓一

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を読み始めた。買ったのは学部時代だ。クーンの打ち立てた概念がステップバイステップに解説される。クーンは括弧付き「科学」を破壊した張本人と誤解される事があるそうで、著者はクーンを「『<科学>殺人事件』の犯人」と見立て、彼を弁護しつつ話を裁判調に進めていく。記述はクリアであり、著者の立場も明確なので(その上彼は物理学科出身だ)かなり好感を持って読めている。
 自分の根は変わっていないのだと確認できた。科学をどう捉えるか、とか、機械とヒトもしくは生物と無生物がどう違っているのか、といった疑問は少なくとも学部一回の時から持ち続けているもので、今も関心が失われていない。大学院ではその一端に触れるような研究が行えていて幸せだと思う(始まったばかりだけど)。
 ちなみに、学部時代に買った本と言えば
BRAIN VALLEY〈上〉 (新潮文庫)BRAIN VALLEY〈上〉 (新潮文庫)
(2005/09)
瀬名 秀明

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BRAIN VALLEY〈下〉 (新潮文庫)BRAIN VALLEY〈下〉 (新潮文庫)
(2005/09)
瀬名 秀明

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もここ数日で読み切ってしまった。上下巻合わせて1000ページに迫る大作だ。この作品に登場する専門用語の数は前作の『パラサイト・イヴ』を遥かに凌駕しているように感じた。以前読んだときに比べると(レセプターなどの)生物学の知識が増していたのでかなり読みやすくなっていたとはいえ、相変わらず彼の描く「崩壊シーン」はイメージが掴みにくかった。僕の想像力が足りていない。
 彼の作品に対して向けられる批判のうち、「専門用語が多過ぎて一般読者は読むのが難しい」というのがある。これは否定できないと思う。一般読者、という言葉が曖昧であるとすれば、生物学を学んだ事の無い人と言ってもいいし、そもそも理科的なものには触れてこなかった人と置き換えてもいい(まあその場合には「一般」と言ってしまうと語弊を含むか)。NMDAレセプター、アセチルコリン、などと言われると、たとえ本文中に説明があったとしても身構えてしまうのは事実だし、特に主人公が臨死体験を分子生物学的に解明しようとするハイライト部分はあまりにも専門的で実際の分量の割に果てしなく長く感じてしまう。
 それでも、僕にとってはまさにこの詳細さこそが彼の魅力なのだ。具体的な薬品、具体的なタンパク質が圧倒的なリアリティを生み出し、サイエンスとフィクションの境界ギリギリを縫うようにして進んでいくストーリーが心を掴んで離さない。“サイエンス・ノンフィクション”部分が増えれば増えるほど作品と現実との距離は近づき、その分だけ超常現象のリアリティは増してより恐ろしく感じられるようになるのだ。この意味で彼の作品はSFだし、ホラーだし、ミステリでもあると思う。
 …もっとも、本人はSF作家としては「燃え尽きた」と感じていらっしゃるようだから、今後このような作品がまた登場するのかは心もとないところだ。僕は彼の書くノンフィクションも好きだし(『ロボット21世紀』など)、ホラー色はだいぶ薄れたが思考実験的な側面が強まったように思える『デカルトの密室』のようなものも歓迎しているので、SFに限らず、自らの興味が赴くままノンフィクションとフィクションが交差し合うような作品を、ゆっくりでいいから続けて発表していって欲しいと思う。
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ひでひでた
言語学、哲学など   0 0















 

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