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ひでひでた
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久しぶりの感覚
レポートの類や卒研の準備が一段落したので自主的に物理の勉強を進めようと思い非平衡統計の本を読み始めました。
 この本はその名も『非平衡統計力学』で某早川先生がお書きになったものです。実は以前紹介したことがありますね。彼は院試の時の面接で一番前に座っていました。とても厳しい研究室だそうですね。今日は11から21ページまで。主にBoltzmann方程式の導出とH定理の証明です。前者はハードコア分子系について考察されており、結果に微分断面積を使うことで一般的に適用できるようになっています。後者は古典的な系についての証明。
 コンピュータから、卒研から離れて自分の好きなように物理をやるのは久しぶりの感覚で楽しかったです。…それにしてもこの方程式は大変だ。なんと言っても未知関数についての微分・積分方程式でありなおかつ非線形なのだから。最強じゃないですか。
 それはさておきハードコア分子系での議論にものすごく苦戦しました。古典的な散乱問題についての理解が全く進んでいなかったがために物理量の直感的な意味が分からないことが原因でした。平均自由行程について述べているところで衝突頻度という量が出てくるのですがこれが初めよく分からなかった。確かに次元を見てみると何となく良さそうだけど…という感じで。ひとまずとばして先を読んでみるも肝心のBoltzmann方程式を導くところでも同じような問題に突き当たることが明白だったので、じっくりと解決することにしました。
 そんな訳でランダウの力学に戻ると。この本の散乱のところは何度も読んでいますが全然身に付いていませんでした。計算を追っても内容を把握しきっていなかったのが原因だと思われます。卒研で散乱問題を扱っていたせいか今度はよく分かりましたけどね。やっぱ具体例を省いて理解することは僕には出来ません。微分断面積とフラックスの関係について理解できたのが良かったのだと思います。先ほどの衝突頻度の解釈には必須の事項です。
 それで何とか先に進んでハードコア系の散乱問題に戻って来れましたがここで一番時間を食いました。なんと運動量変化が計算できないというあまりにも粗末な理由で。気づけば当たり前すぎることだったのに結局2時間もかかりました。本に書いてある式の意味が分からなかったのですが、これは単に剛体球を考えているから完全弾性衝突することを使えばすぐに導けることでした。考えている座標系がまず何なのか理解するのにも時間がかかったなぁ。ダメダメです。
 さてさて、紆余曲折を経てBoltzmann方程式を得た訳ですが、まずこの式で扱われている分布関数をどう捉えるべきでしょうか。平衡統計力学で扱うのはもちろん平衡分布であり、分布関数に位置や時間の依存性はありません。ところが今回はそうではなく、むしろそれらの時間発展や空間分布に主な興味があるように思われます。分布関数が時空の各点の関数になるということは各々の点で粒子の分布が決まっているということですが、これはいかにして可能なのでしょうか。例えばごく短いが有限の時間スケールで見れば分布が一様である、つまり時間を粗視化して物理を見れば各時刻での分布関数を定義できる(空間についても同様)ということでしょうか。では粗視化するときの基準はどうすればいいのか。どの程度細かく物事を見ていいのでしょうか。「平均量が定義できる程度のスケールで考えればいいのだ。」だって?答えになってないと思いますね。「マクロに見たときのミクロなスケール」。どれくらいの粒子があれば平均量が考えられるのか、大学院に行って実験の方とも協力しつつ研究することが(環境的には)出来そうです。
 BoltzmannはH定理を示したことで熱力学第2法則の力学的な証明を完了したと考えたそうですが、そもそも上に述べたような分布関数を使っている時点で力学的とは到底思えません。今後も勉強を続けて何らかの理解を得たいです。
 そういえばこれだけ長い記事を書くのも久しぶりですね。
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ひでひでた
熱・統計力学   0 0















 

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